先入観が興味に与える影響

2019年8月1日木曜日

心理学

t f B! P L

Using visual imagery to find your true passions


最近オハイオ州立大学の研究で、文化的固定観念と同様に思い込みが自分の本当に興味を持っている分野への記憶を悪くさせる可能性があることが分かった。

例えばサマーキャンプのイベントの中に科学に関するプログラムがあり、参加した女の子がそれに興味を持ったとしても、その子が事前に「科学は女の子らしく無い」などのステレオタイプなイメージを植え付けれられていたら、キャンプでの楽しい思い出自体は思い出せても、科学に興味を持ったという記憶は曖昧になってしまうということだ。

この現象への対処法も発見されていて、記憶を思い出すとき三人称視点ではなく、一人称視点で思い出すようにすれば良いそうだ。人は通常、現在の自分から離れている記憶に対しては三人称視点を、近い場合は一人称視点を用いるようにできている。

離れた記憶が三人称視点になるのはより客観的に記憶を分析するために必要だからだ。例の女の子例で言えば、事前に「科学は女の子らしく無い」という情報を受けていれば、科学プログラムの記憶は”自分は女の子→科学は自分から離れた情報”となり三人称視点で想起される事になる。

三人称視点はより抽象的な思考となっており、固定観念や先入観を受けやすくなる。だから意識的に記憶を一人称視点でたどることで、自分の本当に好きなものを見極めやすくなるということだ。記憶の視点の切り替えは一人称視点にしたければ一人称視点の写真を三人称視点にしたければ三人称視点の写真を見せるのが良いという。

実験では、まず253人の科学に興味があるという女子学生を集め、生態系を操作するタイプのシミュレーションゲームさせている。これらは自分でコントロールできる面白いものと、ただ決められことを実行するだけの退屈なものとに分けている。

この課題を終えた後、彼女達にゲームをしている時の映像を一人称視点、三人称視点の写真いずれかで見てもらい、ゲームについての感想を求めた。すると一人称視点の写真を見た学生は言うに及ばず、三人称視点の写真を見た学生も面白い方、退屈な方とに関わらずゲームの内容に興味を示したという。

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