左利きについての研究結果

2019年8月12日月曜日

心理学

t f B! P L

8月13日は左利きの日であるらしい。
最近分かった左利きについての発見について書いておく。


1.左利きの人口は約7億800万人

2019年現在の世界人口は約77億人だが、そのうち左利きの割合は約9.2%だと言われている。
参考(Papadatou-Pastou et al., 2019)


2.男性の方が女性より左利きの割合が高い

左利きに関して144もの分析を行った結果、女性と比較して男性の方が2%左利きの割合が高かった.
参考(Papadatou-Pastou et al., 2008)


3.犬も猫も左利きになる

最近のメタ分析で、犬と猫も左利きになることが分かった。

猫の約36%-46%、犬の約31%-53%が左足を利き足にしているという。
参考(Ocklenburg et al., 2019)


4.左利きはスポーツで勝ちやすい

世界クラスの水球選手を調査した結果、左利きの男性プレーヤーは1分あたりのショット数が多く、また右利きの選手に比べてより多くのゴールを決めていたということが分かった。

同様の効果はボクシングやフェンシングでも確認されている。
参考(Barrenetxea-Garcia et al., 2019)


5.左利きにする遺伝子がある

2019年、オランダ・ナイメーヘンにあるマックス・プランク心理言語学研究所で、これまでに左利きの遺伝学に関する最大の研究を実施した。

その結果、脳内の神経細胞の発達に重要な遺伝子である"MAP2"の中で、特定の遺伝子が左利きの発達に影響を与えることを発見した。
参考(de Kovel&Francks,2019)


6.左利きにする様々な要因

左利きを決定するのは遺伝子だけではない。

生まれた年代や場所、文化的影響、さらには出生時の季節、体重、性別、母乳育児であったかも影響を与えることが示されている。
参考 (de Kovel et al., 2019)


7.3歳でほとんどの子供の利き手が決定される

3歳児を持つ家庭への利き手アンケート(HHQ)を使用した最近の調査で、ほとんどの子供が右利きであることが分かった。

しかし、そのうち25%はまだどっちの手も使うことがあり、まだ手の使用パターンが決定していないことを示している。
参考 (Nelson et al., 2019)


8.利き足にも左利きはある

人間が持つ運動における非対称性は手だけではなく足にもある。

ボールを蹴ったり足の指でものをつまむ際にも使いやすい方がある。
参考(DeLang et al., 2019)


私は基本的に右利きだが元々は左利きであるようで左手にものを持ち替えてもしばらくすれば違和感がなくなる。子供の頃は歯ブラシを右手で使っていたがあるとき実験で左手に持ち替えたらそのまま今もずっと左手使いになってしまった。

サバゲーをするときも右手でエアガンを持っていたが、あるときなぜか狙いにくいことに気づき、周りを観察してみると"利き目"もあることと、自身の目も左利きであるを知った。利き目に合わせて持ち手も左にしたがこれもすぐに馴染んだ。

前述した通り、犬猫は人間(約9.2%)に比べて随分左利きの割合が大きいが、これには人間社会における同調圧力も大いに影響していると考えている。完全に自由にさせればかなり増えるだろう。

だとすると昨今のリベラル的な流れに乗ってこれから「右利きに矯正させるな」「左利き用のものを増やせ」とかの権利主張が強まるかもしれない。

私は左利きへの配慮にはリソースがかかるが、左利きは創造性に関連があるとの研究結果もあるので最終的に社会の利得は増加する考えている。なので、度を超えない範囲であれば賛成である。

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