この番組では、日本にいるギフテッドと呼ばれる天才児・天才青年と、アメリカでのギフテッド教育の様子や、ソフトバンク社長の孫正義が主催しているギフテッド支援団体、”孫正義育英財団”について紹介されていた。
日本行政による支援に何か進展はあるのかと期待したが、こちらは何もなかった。日本は多様性を認めているアメリカと違い、均一性が強い社会なので揉め事も圧倒的に少なく、住む上ではとても快適である。
こういった快適さが行政主導のギフテッド教育が進まない理由でもある。国民はギフテッドへの配慮とこの快適さがトレードオフになることが分かっているので煩わしいのだ。
なので天才に対して見世物以上の興味を持たない。現に番組内のアンケートによれば、回答したギフテッドの9割が日本社会において”生きづらさを感じている”という。
教員やクラスメートに迫害される子、9年引きこもりに追い込まれている子もいた。日本人は彼らを排除しているのである。
このように日本人は配慮が必要な将来のリターンより、目先の快適さを優先している状況にある。そして、この多様性の拒絶こそが日本の貧しさに大きく関わっている。
情報化社会となった現在において、国際競争に勝ち抜く上で多様な着想と価値観、それによる柔軟な思考は不可欠だからである。
長期的に見れば巨額の予算を割いてでもギフテッド教育を施したり、高学歴・高IQの留学生を受け入れる方が国にとって遥かに有益なのだが、このとおり日本は多様な人材を許容できるだけの人権意識や知能が備わっていないので、当分そんな未来は来ないだろう。昨今の技能実習生・留学生の奴隷労働問題、韓国バッシングも酷いものだ。
写真の檜垣大峯くんは学校になじめず小学1年生で不登校になり、現在はカナダの大学で生物学を学んでいるという。
今後ギフテッドの大半は彼のように外国に吸収されていき、日本は成長した元日本ギフテッドたちに経済・科学・外交などの場で復讐されることになると思われる。そうして痛い目に合うことで、あるいは是正されるかもしれない。
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