怒鳴っても相手のミスは減らない

2019年7月25日木曜日

心理学

t f B! P L

昔近所のスーパーで品出しのバイトをしていたのだが、ある日新入社員の男の子が入ってきた。名前は仮に萩としよう。

彼が異常に使えない為、よく売り場の主任をキレさせていた。主任は体が横にも縦にも大きく、声もデカイ。機嫌がいい時は良いんだが、ちょっと余裕が無くなると大声で怒鳴ったり、「チッ(舌打ち)」とか「クソ(小声)」とか言うかなり問題のある人物だった。

「〜なんだよおお!!」が「〜なんだエェー!!」と言う、特徴的な怒鳴り方をするのでかなり遠くからでも"ああまたやってるな"とすぐにわかる。

萩は主任の指示をとにかくすぐに忘れる。それで主任もあんな人間なので恐ろしくて聞き返せず勝手な事をしてしまい、それで事態がややこしくなって一層キレさせるというパターンが多かった。

「おめえ何回教えてもこれやるよな!(売り場に違う商品を陳列する、配置の仕方を間違う)」「おめえが失敗すると俺の責任になんだエエェー!!」「メモなんかとんなよ!!どうせ忘れんだからよ!!」連日早朝の売り場やバックルームでこんな怒鳴り声が聞こえる。

他のパートのおばさん達は同情して良く萩を慰めていたが、社員達は使えない彼に冷たく誰もパワハラを注意しなかった。店長至っては、「あんま俺人の事悪く言いたくないんだけどさあ、萩、あいつバカだわ〜」などと言っていた。

萩は余りにも怒られすぎて、最後の方はニヤニヤ笑う様になっており、そこでまた主任に「てめえ何ニヤついてんだエエェー!!!」と怒鳴られていた。

私はその辺りで辞めたのだが、少ししてそのスーパーに行くと売り場に萩の姿が無かった。何度か行っても見かけなかったので多分辞めたと思われる。彼は今思えばワーキングメモリーが極端に低いタイプの発達障害だったのだろう。

だとすればそれに対して超短気な主任というのは最悪の組み合わせだった。大声で怒鳴られると恐怖と緊張で前頭前野の働きがすごく鈍るし、その恐怖の記憶から家でもマインドワンダリング(嫌な記憶に囚われたり,嫌な未来を想像する)にはまってますます鈍る。鈍れば当然ミスも増える。萩の不始末は少なくない割合で主任にも責任があると言える。

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