るろうに剣心の雪代縁と復讐劇に見る疑問について

2020年8月11日火曜日

持論

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エンターテインメントにおいて「復讐劇」というのは一つのポピュラーなジャンルだが、それらを目にしている時、常々抱いていた疑問がある。それは復讐劇の基本として、復讐者は何も知らない仇敵に自身の憎しみの顛末をあの手この手で理解させようとする点だ。

るろうに剣心の雪代縁などが分かり易い例で、彼は姉の仇(と思っている)である緋村剣心を追い詰めるリベンジャーなのだが、いちいち剣心と関わりのある人を何人も傷つけ、更には彼の住まいに「人誅」などと張り紙をして事の因果を分からせようとする。ちなみに人誅と言うのは、天が許すとも人が誅を下すと言う復讐宣言らしい。

フィクションは自由だから復讐について、許されるならここまでやりたいと言う事なのだろうが、私は昔からこの手の展開を見る度に「嫌いな奴を始末するのに何故こんなに手間暇をかけるんだろう、殺りたきゃさっさと殺れば良いのに」と思っていた。

復讐の意図を相手に悟られたら成功率は勿論下がるし、ダメージを追求するという観点から見ても、因果を理解させずいきなり始末した方が理不尽で相手はより苦しいと思う。ああいった行動には合理的な理由が見当たらない。

最近、ある程度人間を観察してきてなんとなくその答えがわかってきた。つまり普通人にとって復讐というのは一見快楽の追求のように見えて、本質は自分や自分達の痛みを理解して欲しいと言う、共感の要求なのだ。「私や私の大事な人はこれだけ苦しんだ、だから貴方も同じくらい苦しむ事でこの痛みを理解してくれ」という訳である。

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